カテゴリ:文事清流( 103 )

映画『活きる』の原作者余華さん

 彼とは、十年来の友人だ。

 いつもきびきびした文体で、はつらつとした生活感覚を描き、目線は外界ばかりではなく、内面に向かい、訴えかけるという傾向がある。『活きる』(後に張芸謀映画『活きる』にもなる)という小説から、孤独の底で自ら確かめるような文体で、抜け場のない苦しさと、時には楽しさ、ひいては滑稽さを描くという傾向が、次第に強くなってくるということが、新作の長編小説『兄弟』とたどってくれば、だいたい言えると思う。

 写真は京都来訪の余華さん、彼とずいぶんいろんなところをまわってきた。本日東京に行き、三日後北京に戻る予定。来月中旬頃から約一ヶ月間、今度はドイツに行くと言う。
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by amaodq78 | 2006-08-29 14:44 | 文事清流

上海ブックフェア

  新しい読書の潮流は、なにかが変わってからいきなり現れるのではなく、十年あるいはもっと前に芽を出し、地味ながら少しずつ育ち始めていたというものが少なくない。中国での僕の読者もそういう潮流のひとつでも言おうか。

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『ウェネバー上海版』2006年9月号掲載
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by amaodq78 | 2006-08-14 23:26 | 文事清流

日本語を習う人びと

 友人の日本外交官が紹介してくれた大連市第17回“キヤノン杯”日本語スピーチコンテストの話。今回大連滞在中にその会場は偶然にも僕の宿泊先のホテルと同じだったこともあって、友人と一緒に参加してみた。それはやはり、コンテストのレベルの高さにまず驚く。

 応募人数は3500名に近い数字だというから、大連での日本語ブームを改めて認識させてくれた気がする。
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 写真はキヤノンの内田社長と大連市副市長のご挨拶、下は今年の優勝者3人。
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 大会の後、優勝者の原稿を読んだ。今年のテーマは『水と私の生活』。スピーチコンテストにテーマのあるのは普通と言えば普通。しかし、テーマが提出されるわずか30分前、決勝戦に残った選手誰もが知らされないというのも又、違った意味で面白い。もちろん、授業中の作文ではないから、テーマをはじめて知っていても、今まで周到に準備してきたスピーチ原稿をその会場の控え室で切捨てなければならない。後はアドリブでテーマになっているこの『水と私の生活』への対応だけが要求されるのである。実に見事な仕組みだと思う。

 このような日本語スピーチコンテストはもっと積極的に行われれば、日中両国の相互理解にも役立つことになるのである。
 
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by amaodq78 | 2006-06-11 10:43 | 文事清流