僕の宗教体験

 もし僕に宗教体験があるとすれば、それは仏像との出会いということである。神の姿をみることもなく、神の声を聞くということは一度もなかった。
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 仏像とは、それはただ会うということではない。大学時代に敦煌という素晴らしいところを旅行したが、一度にあんなたくさんの仏像をみたのは初めてだったのに、ひとつひとつ顔が違っていて、それらは僕の中でも鮮明に今も覚えていたのである。

 特に莫高窟45窟の仏像の顔、驚くほど表情豊かなことに気がつき、みんなそれぞれのモテルになった聖人が実在しているのではないかと、大卒になってからも、しばらくのあいだそのように考えてきたのだ。

 出会いとは見ることではない。目差しが消えることであると同時に、相手が物から人に変ることである。僕と仏像が、その当時主体と客体の関係ではなくなり、相互主体になったような気がする。つまり、宗教的な体験の一瞬でもある。
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by amaodq78 | 2008-02-10 23:38 | ノスタルジックな時間
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