講演旅行の後

  講演のために『日本と僕の日常』をタイトルに選んだのは……あらゆる話の詳細に含むのがこれしかないからだ。そう確信して、広州や北京と上海、大連と沈陽、そして洛陽まで走りまわって来た。

  講演はやはり、魅力的な仕立てのタイトルが必要なんだ。

  いまの日中関係は、決してばら色と呼べるものではないが、その中にあって、「等身大で相手を見る」という姿勢こそ、日中関係の構築を明るく照らす光である」と、今日の某紙コラムに書いてみた。

  等身大を中国語の辞書でひけば、勿論のこと、それが載っているはずがない。しかし、今日まで、僕はこの単語には仏教の意味もあるのではないかと考えていた。で、復旦大学の名物教授銭君は、仏教の教えに「等身観」という言い方で通っているというから、妙に納得する気がした。

  彼と上海ガーディンホテルで朝のコーヒーを読みながら、『週末画報』の取材を受けた。若手カメラマンの発想でけっこう面白い写真が撮られたと思う。

  銭君のことだが、大学時代からの僕の親友だ。天才とも言うべき人物。最近のファッション男性誌によれば、彼は専用車のベンツで大学出講に出かけ、週末にゴルフ、ブランド好きでルイヴィトン愛用、自宅は三階建ての古い洋館というが、それもまるで図書館のようなところで、書籍はぎっしりと詰まっているそうだ。授業の科目は梵文、ラティン語に仏教史。教室でいつも定員オーバーで、学生諸君は溢れ出している。伝説の男だ!今年は39歳、ドイツ語も日本語も英語も堪能、または梵文(=サンスクリット)など、稀少言語の研究もご専門。中国では、大学者として期待されている。

  それにしても、学者でありながら、派手な私生活も注目されているから、そういう意味に誤解される。されて自然だろう。

  後輩の銭君だが、彼の活躍に拍手を送りたい!
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by amaodq78 | 2006-08-30 10:03 | 文事清流
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